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毎度おなじみ、帝人特設会場。
長年の風雨に晒され
絶叫ヒルクラウムもただの登り坂に降格していた。

さて、12thTBIも無事終了しました。私は今回で3回目のTBIでしたが、今までで一番楽しいコースだったと思います。20Km級のSSが二本、短いSSもそれぞれ趣向(?)が凝らされており、さらにリエゾン区間、タイム&距離の設定も日によってキツかったりアマかったりとメリハリがあり大変楽しめました。

では、今回のレポートは、過去3回の参加経験から競技として捉えた場合のTBIをいかに走るか!
という視点で書いてみます。


帝人SSより帰還。明日より本格的にTBIが、始まる。

このラリーは、7日間で2000Km。という日本最大規模を誇るスーパーロングディスタンスなイベントなわけですけど、ここにエントリーしてくるマシンもライダーもさまざまです。

マシンでいえば、上はアフリカ象や乾燥重量200KgオーバーのBMW。下はモンキーやダックスまでいます。エントラントもパリダカ完走しちゃうバリバリのライダーから、今回初めてコマ図を使ったラリーをする! ようなライダーまで千差万別。当然十人十色な楽しみかたがあるわけです。

初参加のライダーは「完走」がまず目的になるでしょう。アフリカ象やBMW系でエントリーしてくるツワモノはその超弩級系マシンを操ることに至福の喜びを感じでいるようだし、50ccクラスのライダーに至ってはもう真のマゾヒストとしか言い様がないって感じです。ああっ…。


初日の夜に全日程のコマ図が渡され、
エントラントは夜なべしてコマ図を張り合わせるのだ。


SSERのWEB上に書き込まれた応援メッセージは、
夜このようにエントラントに届けられる。

マシンについて

まず、渋滞等でのリカバリーの早さを思うとマシンはセル付きであることが絶対条件。
排気量的には、セロー225が下限ですかね。でも雨でもガンガン降ってSSの状況が悪くなってくると、セローも戦えると思いますし、航続距離の問題をクリアすればランツァもいいと思います。ICOは必須アイテムといっていいでしょう。
TBIのルートは、林道及びタイトなワインディングロードが多いのでブレーキやタイヤに非常に負担がかかります。消耗品はあらかじめ全て交換しておくこと。タイヤは最低でもリヤタイヤを一度交換。気持ちよく走るのならフロント1本リヤ1〜2本交換が望ましい。また、タイヤの空気圧はこまめに調整できるよう1kg以下もちゃんと計れるエアゲージの携帯も必要かと思います。ちなみに今回もED661.660を履きましたが、リエゾンでは約1.0、SSでは0.6位、モトクロスコース系のSSでは0(!)近くまで落としたこともあります。
ナイトラン対策ですが、今回ヘルメットに35Wのライトを付けて走ってみました。コレはおすすめです。マシンのライトとヘルメットにつけたサブライトの二つで路面を照らすので遠近感というか立体感が出て路面がとても見やすかったです。


林道内に設けられたPC(パスチェック)。
1日2ヶ所のPCがあり、
それを指定した時間内に通過する。
そのタイム設定はゆるやかなものであり、
エントラントはゆっくり食事をとったり、
ときには温泉に入るくらいの時間は
十分にある場合が多い。


カブクラス(4日間)にエントリーしたマサキさんは
今日でおしまい。
Gパンなんか履いちゃって
すっかりふつーのライダーのふりをしている。


ナイトランSSのゴール地点。
このSSは舗装路を含む約20Kmの林道タイムアタック。
楽しかったゼ!


前日のリザルトが張り出され、
その順位が翌日のスタート順となる。


林道でアフリカ象が10mほど転落。
でもみんなで引っ張れば簡単に引揚げられます!
象を支えているのはパリダカ完走男の池町選手。


美馬モーターランドでのSSを終えて。
ん〜激カラであったゾ!

走り方について

一番大切なことは、モトクロスコース系のSSでハマらないことです。ちなみにモトクロスコース系のSSで渋滞になった場合にセル付きで足つき性の良いバイクは絶大な威力を発揮します。林道タイムアタックで5分10分稼ぐのはエライことですが、モトクロスコース系の渋滞でハマったら5分10分なんてあっという間ですからネ。
また、林道タイムアタック系のSSではミスコースや転倒しないことが第一です。実際参加してみるとわかりますが、自分がSS内でハマったり転倒すると順位が落ちる。ソツなくSSをこなしているとなぜか上がってきます。いままでの経験上80%の力でミスなくSSをこなしていった方がいい結果がでます。

リエゾンの走り方ですが、ガンガン走ってSSやPCの開設時間にはできるだけ早く行くこと。途中でパンクやトラブルが起こるかもしれないし、とりあえず先に進んで、SSやPCをできるだけその手前で時間調整をするようにすると心と走りに余裕が持てます。


最終日、美馬での朝食。


美馬のSSスタート。最後のSSである。
昨晩の逆周り2周で行われた。
この後スタートしてすぐ
池町選手にブチ抜かれる田中であった。


最終SSを終えほっと一息のひみつ基地軍団。
さあ、あとはグランドゴールを目指しリエゾンをひた走る。


オレンジ色のが、初日に手首に巻かれたビザバンド。
入賞の盾とメダル。盾に挟まっているのが、IDカード。
そして左にあるのが、
例の日石三菱レーシングスペック2Tと4T。
「この4Tを入れば、あなたもしあわせになる…」

装備について

雨対策は万全に。コイツを怠ると体力を消耗して辛いです。ゴアのジャケット&ゴアのモトパンに新品のカッパ。足はゴアのオーバーソックス。グロ-ブは私の場合軍手の上にLLサイズの業務用ゴム手袋で完全防水してます。
あと防寒対策も重要。寒いと疲れますから。フリースの上下をインナ−として着用、暑い時は上のフリースを脱いで調整しました。ダッフルバッグの中身は全てビニール袋等で個別に防水対策してパッキングします。

こんな感じでTBIすると、結構それなりなリザルトが残せるのではないでしょうか。
さて、次回でる時は、50ccのバカベンチャークラスで行きますかネ!

 

TT250R TBI2000仕様

ひみつ基地軍団のリザルト

Special Thanks To 小越さん


SSER山田徹氏曰く、

世の中、ドンドン便利(進化)になってくると、不便なこと=キツイことが嫌になる。根性モンのスポーツは流行らない=ラリーレイドみたいに自己との闘いなどは一部の変態の競技だ...などという図式が成り立ってくる。でも我々は変態と呼ばれようとナンと言われようと、コレなんである。「昔はアーだった、コーだった」とはもう言わない。長い人生を己と向き合わなくてはいけないように、長い時間をかけて自らの内面に問いかけるひとつのチャンス。なのかもしれない。それが、ラリーレイド長時間という束縛がそれを浮き彫りにする。「TBI、それは存在そのものが日本の中の奇跡のようなものだ」と誰かがボソッとつぶやいた。

 

もうすでに、こんなふうにオートバイに乗ること自体が、「変態」なのかもしれない。
私はTBIでの7日間。リエゾンで、ときにはSSの中でさえ、世の中のこと、自分のこと、普段は日常に流されあまり考えないようなことをずーっと考えながら走っていた。
そんな機会を与えてくれたTBIに、感謝したい。

「TBI、それは存在そのものが日本の中の奇跡のようなものだ」

「個と公」「自己と他者」との境界が希薄となり「努力、忍耐、誇り」という言葉が死語となってしまった日本。
「夢や希望」を持つ必要性を感じさせることのない、ゆたかで頼りない国。
2000年の日本で行われたTBIとは、そんな日本の未来を照らす、かすかな希望の光なのかもしれない。

 

すずきさんの12thTBI参戦記録はこちら

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