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セローのキャブレターオーバーホール

車体からキャブをとりはずすコツからいってみましょう

 

 
  1. まず、両サイドカバー・シートを取り外し、燃料コックとキャブをつないでいるホースを抜きます。
     

  2. でこれから、キャブを取り外すわけですが、慣れれば上の画像のようにタンクを留めているボルトを外しそこに何かを挟みタンクの後ろを持ち上げるだけでも可能です。
     

  3. キャブ前後をとめているバンドをドライバーで一杯まで緩める。
     

  4. キャブからでているパイプ等に注意しながらキャブ本体を後ろにずらすようにして前側から外す。
     

  5. アクセルワイヤーを10ミリのスパナで外す。スターター(チョーク)のバルブを12ミリのスパナで外す。

で、外れたらバラバラにしていきます。
そのとき使う工具についてですが、必ずサイズのあったドライバーを使うこと、特にジェット類はやわらかいので要注意です。また、柄の長いドライバーが力を入れやすくおすすめです。さらにT型のタイプなんかもグッドです。またドライバーは消耗品ですので、先端が磨耗してきたら、心をオニにして新しいものに買い替えた方が良いです。

 

キャブレターから、さまざまなホースがでています。

その多くは、ガソリンの溜まるフロート室の気圧を抜くため、および転倒したときガソリンがエンジンやエアクリボックスに流れ込みにくくするためのものと思われます。

で、自分でキャブレターの脱着をする人にとってはそのホースが長くて、結構邪魔ですよね。

ぼっとしていると、上の画像のようにホースのつながる部分を折ってしまいます。

そこで私は、適当に短くカットしています。また、ドレンボルト下のホースはなくても問題ないので、付けていません。

あと、アクセルワイヤーの遊びは、「ハンドルを左に切った状態」でアクセルグリップの遊びを0にします。これでアクセルワイヤーの遊びを最小化できます。

古くなると、黒いプラスチックの部分が硬化して欠けてしまったりする困ったパーツですが、これはアクセルオンオフ時に混合気を最適化する機能をもったパーツなんです。今では部品としてでますので、ご安心あれ。

で、このパーツの通路がいったんキャブのボティに入り、上の黒いフタへと抜けているのですが、ここのOリングがしっかりとフタにあたらず密閉されてないものが結構あるようです。
ここからエアを吸ってしまうと、アクセルを開けてもスロットルバルブがちゃんと持ち上がらなくなってしまうので、ボコボコいってしまいます。
で、しょうがないので同じような大きさのOリングを重ねてあげています。
で、フロートを取り外ずすためには、このピンを抜かなくてはなりませんが、なぜか「圧入」されているんですね。

でどう抜くかというと、このように、釘状のものか、つぶしてよい精密ドライバーなどをあてて、軽くハンマーなどでたたくのがよろしいかと思いますよ。

 

 

キャブセッティングについて

キャブセッティングをする場合、まずエアクリーナーの清掃・プラブ交換・エンジンオイルの交換等、基本的なメインテナンスを行ってからするようにします。

セローの場合、メインジェットを交換すると全域に渡って影響を及ぼしますので、まずメインジェットからはじめます。
とりあえず、大きめのサイズのモノをつけて試乗を繰り返しながら、番手をさげていき、メインジェットを決めます。
次に、ジェットニードルの段数をいじってみます。
まあ、ここまでで十分じゃないでしょうか?
セローの場合、経験上パイロットジェットを交換することは無いと思います。

で最後に、パイロットスクリューを調整してアイドリングを安定させます。基本的には、一番エンジンの回転数が高くなるように調整します。その状態で「回転の落ち」が遅いようでしたらちょっとスクリューを閉めてあげます。(こいつを締めこむとアイドリング時のガスが薄くなり回転の落ちが速くなります)

給排気系をいじってパワーアップした場合、ノーマルエンジンに比べて吸入不圧が高くなっているからなのかどうかはわかりませんが、ノーマルの2回転戻しではガスが濃いようでアクセルを戻したときスーッと回転が落ちてきません。
ひみつセローの場合、だいたい1回転半前後の戻し量になるようですね。
実際にはアイドリングの回転数との兼ね合いも関係してきますので、エンジンが冷えているときにエンジンをかけて数回アクセルをあおったあとアイドリングが持続し、その後走りだしエンジンが完全に暖まった状態でのアイドリング回転数が適正な状態になるよう、アイドリング回転数を調整するネジとパイロットスクリューのふたつのバランスをとりながらセッティングしていきます。 

メインジェットは大きい方がパワフルな感じになるので、初めてキャブセッティングに挑戦した方は、どうしても濃い目のセッティングをしてしまいます。そうすると、ちょっと標高の高い所を走ったり雨が降ったりすると、ボコボコにプラグがカブってしまったりしますので気をつけてください。

ちなみにキャブレターというものは基本的に、全開域でセッティングを出すと低開度域で濃くなってしまうものらしいです。それを何とか機械的に補正するように考えられたのが、代表的なところで「パワージェット」。あと、開け始めのレスポンスをよくするための「加速ポンプ」があります。

パワージェット
これは、まず低開度域でのセッティングを出し、薄くなってしまった全開域時にパワージェットからその分のガソリンを供給し全域で最適な混合比を作り出そうとするためのものだそうです。

加速ポンプ
もうひとつの「加速ポンプ」ですが、アクセルの開け始めはガソリンおよび空気自体に質量がありますので、キャブのスロットルバルブが開いても適正な混合気がエンジンに送り込まれるまでの間にどうしてもタイムラグが生じてしまいます。そこで「加速ポンプ」から強制的にガソリンを送り込みアクセルの付きをよくするのだそうです。よくでかいピストンのエンジンに採用されていますネ。

キャブセッティングするとき、エアクリーナーの入口から排気の出口まで全てが関係してきます。奥の深い世界ですな。

その後、さまざまな補助ジェット類をコンピュ−タ制御したり、ギヤの段数やアクセル開度等の要素も取り入れ点火時期も一緒に制御したりと、どんどん進化してきました。
で最近ではついにキャブレターからフューエルインジェクションの時代になりつつありますね。

 

現在のキャブセッティング (2006/06/02)

ピストンはビートの243・排気ポート拡大・エアダクトをTT225のものに換装
大体こんな感じの仕様で下記のようなセッティングになります。
 243 + TT225のダクトで2.5番アップ。排気ポート拡大で5番アップというところでしょうか(ん? 計算が合わない・・・)
ちなみに バランサー取り外しで7.5番アップてな感じになります。(ということで1号車は#137.5)

  • メインジェット #122.5 → #132.5

  • ジェットニードルのクリップは、ノーマルと同じは真ん中

  • パイロットスクリューの戻し量は、2回転 → 1.5回転戻し

当初、MJ#130でいろいろやてみましたがイマイチしっくりこないので、MJを#132.5にしました。
ノッキングも完全に消え、プラブの焼けも「うっすら灰色」でいい感じ。
あとは、標高の高い林道を走ってみて大丈夫だといいな。

 


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