で、このセローのサスですが、フロントはセロー225WEのフォークにTT225のスプリングを組込んでいます。多分、中のピストンもTT225のものに交換してストロークが2cm増えているかもしれません。(昔のことなので忘れた・・・)
でで、今回のセッティングは、フォークオイルG5(ノーマルはG10)で油面は、TT225の標準値の165mmです。
参考資料
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TT225のフォークスプリングは、ばね定数 0.30kgf/mm 自由長は、573.1mm
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3RWは、ばね定数 0.35kgf/mm 0.40kgf/mm(不等ピッチスプリング) 自由長は、594.7mm
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4JGの自由長は、552.9mm。ばね定数は多分3RWと同じだと思う。知っている方がいたら教えてくださいm(_'_)m
ようは、TT225の方がセローよりやわらかいバネにセローより強くイニシャルをかけていることになります。
トレールバイクの場合、このように2段バネを使っている車種が多いですよね。スーパーXR250もそうでした。
その理由ですが私が考えるに、一般道を走っているときに、リバウンド側のストロークを多く確保しておいて、万が一タイヤが滑って荷重が抜けたとき、サスが伸び切って(フルボトムの逆)コントロール不能状態に陥る可能性を低くするためなのかな? と思っています。ちなみに、3RWのばね定数
0.35kgf/mmの部分は、ライダーが跨った状態(1G)で縮み切り現実的には0.40kgf/mmの部分のスプリングのみで走っている感じですね。ということは、実質的な有効ストロークが減っているということです。
少ないストロークでショックを吸収するためには、TT225よりも硬いスプリングを入れることになり、走る方としてはオフロードで「ゴツゴツして走りにくい」ということになります。
それを走りやすくしようとすると、実質的な有効ストロークを多くとれるようやわらかい1段バネにセローより強くイニシャルをかけ車高を上げ、1G状態でセローより圧側の有効ストロークを多く取った仕様にするわけです。んで、結果としてセローより約2cmほどフロントが高くなります。
リヤサスですが、セローのリヤサスユニットのアイ間(サス自体の長さ)が実測で約365mm。TT225が1cmアップの約375mmです。ウチのやつはTT225仕様ということで1cmアイ間を伸ばしています。
で、サスのストロークが72mm。リンクを介することでホイールトラベルが190mmありますので、アイ間を1cm伸ばすと単純計算で約2.6cmほど1G状態で後が高くなります。(リンクのレバー比は無視)
でで、実際この仕様で乗ってみるとすごく乗りやすいのです。
「あ、これが本来のハンドリングなんだな」って感じですね。重心位置がセローより高くなっていますから、相対的にショートホイールベース化し、ハンドリングが軽快になるんですかね。
で今日、2号車のあとに1号車に乗ってみて気が付いたのですけど、リヤの伸側のダンパーが弱いようでブレーキング時に、ピッチングが大きく後があがってしまいます。
これはよろしくないですな。バイクを倒しこんだときちゃんと曲がらないし乗っていて疲れます。リヤの伸側ダンパ−を強め、「ブレーキング時に前は下がるけど、後は動かない」ようにしたいと思います。
「・・・後は動かない」これ大切です。ブレーキング→バイクを倒してコーナリング。となるわけですが、
このとき遠心力によってサスが沈みます。で、沈み切ったところからバイク(リヤタイヤ)が曲がり始めるのですね。このコンマ何秒かがすごく重要です。このタイムラグを少しでも小さくする為に、一瞬リヤブレーキを早くかけアンチリフト効果(アンチスクワットの逆)を発揮させリヤを下げてから、フロントブレーキをかけます。こうすることによりリヤサスを予め沈めておくことができ、安定してクイックに曲がれるようになります。
ということで翌日、リヤの伸側ダンパ−を強めて問題解決。
圧側は、今のところコーナーの立ち上がり時に「腰砕け感」を感じないので最弱です。

では、実践的サスセッティングを少々。
まず、リヤのスプリングのイニシャルを調整します。「サグ出し」ですね。
乗るライダーの体重に合わせて、サスの沈み込み量を調整します。
一般的にライダーが跨った状態で、ホイールトラベルの1/3ほど沈み込むように調整します。
その次にダンパーを調整していきます。せっかくですので、前後伸側圧側の4ヶ所をそれぞれ分けて書いてみましょうか。
まず、わけがわからなくならないようフロント側は標準のまま、リヤの伸側圧側を最弱にして試乗します。
そうすると、フワフワしてコーナリングが不安定だったり、ブレーキをかけるとリヤが持ち上がって乗りづらかったりすると思いますので、
1.リヤの伸側を強めていってください。
次にコーナーの出口でアクセルを開けたときリヤが下がるような感じ(腰砕け感)を感じたら、
2.リヤの圧側を強めていってください。
特に腰砕け感をがない様であれば、圧側はそのまま最弱にしておいてください。
で、次にフロント側を調整します。フロント側の伸側圧側を最弱にして試乗します。
コーナー手前でブレーキングしてそのときフロントフォークが沈み込むわけですが、その沈み込み量が大切です。
沈み過ぎると切れ込みますし、沈み込みが足りないと曲がりにくくなってしまいます。
で、ちょうど良い沈み込み量になるように、
3.フロントの圧側を強めていってください。
最後にコーナー脱出時の安定性を出していきます。
コーナリング中アクセルを開け始めたとき、スッとフロントフォークが安定して伸びていくように、
4.フロントの伸側を強めていってください。
伸側が弱いと、フワフワして車体が安定せずアクセルがなかなか開けられなくなってしまいますし、強すぎるとフロントフォークがスッと伸びてこないのでフロントタイヤの接地感が弱くなり、これまたアクセルがなかなか開けられません。
その辺のころあいを探してください。
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